黒曜の瞳


我が家には、ヤモリがいる。
元々トカゲなど小さな生き物を捕まえては飼っていたのだが
9月に、はじめてヤモリを捕獲することに成功したのだ。

トカゲは日中でも良く見かけるが
ヤモリは夜行性なのでなかなか子供と遊んでいるときに見つけることはできない。
たまたま、隣の実家で夕方風呂掃除の時に現れたと聞き、駆けつけて捕獲したものだ。

それまで、私にとってヤモリはかなりレアな生き物だった。

しかし、その1匹を捕まえてから、ヤモリの遭遇率が急激に上がった。
実はその風呂場で捕まえたヤモリは結構早く亡くなってしまい、
ヤモリを本当に愛していた子供の為に、替わりのヤモリを本気で探しだしたのがきっかけだ。

まず、1匹目のヤモリを飼いだしたときに
当然だがエサの用意が必要だった。
以前トカゲを飼っていた時はペットショップで小型昆虫の生餌を買っていたのだが
トカゲが食べられるような地上昆虫を自力で集めるのは大変だと思ったからだ。

しかし今回飼っているのは、トカゲと違い"壁を上れる"ヤモリである。
羽虫を良く食べてくれるのだ。

羽虫を捕まえるのは地上昆虫より難しくみえるかもしれないが、実はそうでもない。
むしろ、普段仕事で帰りが遅くなりがちな私からすれば
夜、灯りの元に集まっている羽虫を見つけるのはバッタやコオロギを探すよりよっぽど簡単なのだ。

それに気付いてから、夜に散歩がてらエサを捕りにいくようになったのだが
その時に、何匹かヤモリを見かけたのだ。

考えてみれば、ヤモリのエサとなる羽虫がいるところを見ているのだから
そこにヤモリも集まっているのは自然なことである。
そして、羽虫も実は灯りならどこにでもいるわけでもないこともわかってきた。
周りに自然が多く、かつ木製の屋根下で、さらに周りに他の灯りが少ないところが抜群に良い。

たとえば道の駅などの木製建物の影。
たとえば公園のトイレまわり。
たとえば田舎のバスの停留所。

こういうところには、羽虫も多く、当然のごとくヤモリにも遭遇する。

これに気付いてからは、そんな木製建物の近くにいくとつい、
「あ、このへんヤモリいそう」
とか思うようになってしまった。
そして上を見上げると、黒曜石のような真っ黒でつぶらな瞳がこちらを見つめてたりするのだ。




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